マニュアル・手順書の重要性について(その2)

今年のすごく暑かった夏も終わり、ようやく涼しくなってきましたが、最近になり体調を崩される方もおられるようですので、健康には十分気を付けてお過ごし下さい。
さて今回は、以前取り上げたマニュアル・手順書の重要性について、具体的な事例でご紹介したいと思います。

改善前(before)
ある現業系の会社の事務所では、社員は幹部や営業などを含めて20数名で、マニュアルや手順書はほとんど無かった。
従って、新人の教育方法は先輩社員がついて仕事をしながら教えるOJTが中心で、立ち上がるまでに最低3~4か月かかっていた。
そうした中、新型コロナの感染者が出たグループでは、マニュアルや手順書が無く、業務の内容がよくわからない状態で、残り2名の社員が通常の2倍の残業を行ってバックアップした。
その結果、その2名の社員には相当な負担となった上に、時間外費用(損失)も発生した。

改善後(after)
A4 1枚の簡単なものでも良いという条件で、各業務のマニュアル・手順書の整備を進めた結果、その後に新人が入った際は約2か月で立ち上げ教育を終えることができた(従来比1~2か月減)。
また、社員が病気などで一定期間不在の際に、周囲のバックアップが容易になった。

ここでポイントになるのは、新人や他部門の社員が見ても理解できる「わかりやすい」内容にすることで、最初にその業務の概要・枠組みを理解できれば、その後は短期間で業務遂行できるようになります。
また、社員のマルチスキル化(多能工化)や業務の属人化解消にもつながりますので、もし整備が不十分という状況であれば、前向きに取り組まれることをお勧めします。

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