災害時の仮設住宅について

年明けの能登半島地震において、亡くなれた方のご冥福をお祈りいたします。また被災された方のお見舞い申し上げます。
今回は、以前から気になっていた災害時の仮設住宅について、自分なりに調べたことを基に首相官邸宛に以下の内容で提言メールしました。

おそらく、他にも私と同じような提言をされた方もおられるのではないかと思われ、このような提言が少しでも政治を動かすきっかけになればと考えます。
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年明けの能登半島地震をきかっけに、以前から気になっていた災害時の仮説住宅について私なりに調べた内容を基にした提言がありますので、早急なご対応をお願いいたします。

災害時の応急仮設住宅については、災害救助法で、原則公用地に建設し使用は2年以内、その後は撤去解体すると規定されており、現在はプレハブ型住宅が主流です。(既存の賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」についてはここでは言及しません)

プレハブ型仮設住宅の一戸あたりの費用は、2011年3月の東日本震災では、集会所などを含め617~689万円(内閣府防災情報の応急仮設住宅の概要より、これには一戸あたり約100万円の解体撤去費用は含まれていないと思われる)、2018年9月の北海道胆振東部地震では、計208戸で解体撤去を含めて総額25.6億円(一戸あたり1,230万円、日経ビジネスホームページより)と結構高額です。
また、解体撤去後は多くの廃棄物も発生し、環境への負荷もかかります。

これに比べ、大型キャンピングカーレベルの可搬型トレーラーハウスやコンテナハウスは、1台あたりの価格は800~900万円程度で、使用後の整備・再利用も可能です。過去の大規模災害で最初に使用されたのは以下の通りで、その後の災害でも、台数は限られているものの使用されているようです。

1.2016年4月の熊本地震
益城町で、介護が必要な高齢者や妊婦を対象とした「福祉避難所」として、約30台が3か月という期間限定ではあるものの初めて使用された。

2.2018年7月の西日本豪雨
倉敷市で、初めて応急仮設住宅として約50台が導入された。また2年間の利用期限後は、一般的な住宅を再建する資金確保が難しい高齢者が「終の棲家」としてトレーラーハウスを購入する事例もあった模様。

かような可搬型ハウスの問題点は、一戸あたりの面積が災害救助法で「標準」と規定している29.7m2より狭いケースもあり得る、プレハブメーカーや建設業者へ金が落ちないことなどが考えらえますが、面積の問題は少人数世帯の希望者を対象にすれば良いであろうし、関連業界の方は、大規模災害においては仮設住宅以外の需要が大きいため、それほど大きな問題にはならないと考えます。

一方、最大の問題点は、現在は民間の企業や団体にその供給を頼っているため台数が限られることです。
ここからが私の提言で、全国の都道府県に最低1か所ずつ、平時はキャンプ場などの宿泊施設として10台以上を置く場所を設け、有事の際は被災地へ送り応急仮設住宅や福祉避難所として使うという体制整備をお願いしたいと考えます。
省庁間の縦割り行政、各自治体との調整、そして予算などの問題があることは承知していますが、最近は毎年のようにどこかで水害や地震などの大規模災害が発生している状況を踏まえると、迅速な被災地支援を行うためには必須の施策と考えます。

ちなみに可搬型ハウス先進国の米国では、日本に比べて土地が広いという環境の違いはあるものの、日本の復興庁に相当する役所が10万台以上の可搬型ハウスを管理し、大型ハリケーンなどの大規模災害時には迅速に被災地へ投入する体制を取っているようです。

以上になりますが、是非早急なご対応をお願いいたします。

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